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破天蒼月

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□ 破天蒼月(小説) □

第8章「目指す力6」

ロキアルドに導かれてやってきた場所は雪原続くエルナスの地で、ひときわ目立つ小高い丘の上の屋敷だった。門前には白い雪が積もっており、どことなく入りにくい雰囲気がある。白い中に一転、赤が見えた。近づいていくと次第にはっきりとしていく。
「リルカさん!」
微笑みながらリルカはいつものように赤い服を纏い、エビルウィングを持ち、門の前に立っていた。
「きっと、お二人なら、今日中にこようとするんじゃないかと思って、まってました。さあ、中に入りましょう。力を欲するものならば、誰もがこの門をくぐる資格があると、私を導いてくれたロベイラはいっていました」
リルカのいうとおり、門には鍵すらかけておらず、わずかに重い音を立ててあいていく。
中は雪国のエルナスらしい作りとなっており、木造建築物にこのあたりの生き物から捕れたであろう毛皮をかぶせたソファーが置かれていた。厳しい自然にあがなうように暖炉は燃え、光と暖かさを提供している。
毛皮のソファーでは男と女がチェスを楽しんでいた。男が口を開く。
「あんたたちがあいたい奴らは2階でくつろいでいるぜ」
「アレク、チェックメイトだ」
その間に女は駒を動かし、盤上で男を追い詰めていた。男はうめき声を上げて、私たちから視線を盤上に戻した。どうやら苦戦しているようだ。
「ありがとう、2階にいきます」
と、リルカがいうと、男は何も答えず、盤上をにらみ続けた。
ギシギシとしなるような音を鳴らす木製の階段を上っていくと、再び、2人の男女がいた。
「ロイベラ、お久しぶりです」
リルカが頭を垂れる。ロイベラと呼ばれた緑のローブを纏った赤い長い髪の女はかすかに微笑んだ。
といっても、髪同様に紅で染められた唇の端がわずかに動いた程度である。
「久しいですね、リルカ。メイジとしての力、存分に振るえていますか?最近はあちらこちらに旅をしていると聞きますが、元気なようで安心しました」
「はい。相変わらず、姉の消息を探していますが、未だに手がかりがなく、私自身で探すことにしまして、いろいろと旅をしております。このたびは、旅で出会ったものたちが、新たな力を得たいということで、連れてきました」
リルカの言葉で視線が私とロキアルドを貫く。凍り付くような視線の力に私は後ずさりしそうになった。
「破天蒼月を継承したものか」
ロイベラの視線に敵意はない。だが、好意的とは思えない。
「紋章を持つものがここに何のようです。あなたたちは3つの紋章とともに、すべてのしがらみから外れて、平和な世界に生きていると聞きますが、なぜこちらの混沌とした世界の力を望むのでしょうか?」
ロイベラはすべてを見透かしたように、静かに問いかけた。私は息をのみ、危うくかれそうなのどから声を絞り出した。
「4つの紋章が3つとなり、確かに私たちは平和な世界で暮らしてきました。しかし、それを支えてきた破られて、今、さらに紋章が奪われようとしている。私はそれを守り、里のみんなを守るため・・・」
「奪われて、消え果ててしまえばいい」
声は背後から聞こえた。ロイベラとともに2階にいて、今まで黙って剣の手入れをしていた男が言った。
「黒の紋章をこの世界から失わせたのはおまえたちだ。おまえたちが守る紋章が奪われたからといって、それは自然の摂理というものだ。どのみち、4つあったものが1つ失われた時点で、この世界の均衡はとうの昔に崩れている。古い紋章に支配されずとも、我々は新たな力でこの厳しい大地を乗り越えてきた。もはや、紋章など過去の遺物に過ぎない。すべてなくなればそれで均衡がとれるのではないか?」
男の厳しい言葉に返答ができない。歴史を知っている私も、何も知らないロキアルドとリルカも黙っているしかなかった。
「創世の関わったとされる4つの紋章。その一つの黒の紋章が失われて、この世界に多くの魔物が生また。そして、残りの3つの紋章はそれを守る一族たちによって、この世界から切り離された。私たちはこの何もない大地から一から自分たちの世界を作り出した。古きを敬うビクトリアアイランドの住人たちは帰ってきたあなたたちを歓迎したかもしれない。だが、このオシリアやそのほかの土地のものたちはそうではないかもしれないことを覚悟・・・」
大きな物音とともに男の言葉は遮られた。音はロキアルドが力強く木製のテーブルに自らの手をたたきつけた音だった。
「私にはよくわからない事情だが・・・はっきりしてほしい。力を得る機会をくれるのか!?与える気がないのか!?」
男とロイベラは音に驚くこともなく、男はロキアルドを、ロイベラは私をまっすぐに見つめた。
「私はタイラス、戦士を導く役割を担っている。どうやら、おまえには資格がありそうだ。いいだろう、試練を与える。乗り越えて力を得てみせよ」
「私はロイベラです。試験内容を説明しましょう。まずはオルビスから船に乗り、ビクトリアアイランドへ戻り、ハインズ殿、拳殿にあってきなさい。その二人からそれぞれ試練の内容の説明がされるでしょう」
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Date:2008/08/27
Trackback:1
Comment:8

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*

こんにちは。
メイプルはやめてしまっても、シュウレイさんの書く小説はいつも楽しみにしています♪

ついに3次試験なのかな?
小説の中の皆さんファイトです><!
2008/08/28 【リルカ】 URL #zQwTZWAg [編集]

* コメントありがとう

〉リルカさん
いよいよというか、やっと3次です(^_^;)
コメント書いてくれると、読んでくれているんだってわかってやる気がでるわ(*^o^*)ありがとう
2008/08/28 【シュウレイ】 URL #jJa68FlY [編集]

*

更新お待ちしてました♪
ロキアルドの男気に惹かれつつ、シュウレイのクールな部分にも惹かれる私っていったい・・・
どちらも私が持ち得ない部分だからかもしれませんね^^;

更新直後ではありますが、次回を楽しみにしています♪
2008/08/30 【轟♪】 URL #-

* コメントありがとう^^

>轟さん
なかなか更新せずにごめんなさい><。
楽しみにしていただけているなんて、うれしいです^^
轟さんは轟さんの魅力があるのですよ^^b
私はそれが大好きです♪
2008/09/02 【シュウレイ】 URL #NrhtwNsQ [編集]

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