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破天蒼月

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□ 破天蒼月(小説) □

第8章「目指す力5」

ふんわりと茶葉がティーポットの中で踊っている。そろそろ香りも味も頃合いだろう。しかし、私はその踊りを悠長にみている。
ふと、紋章継承時のことを思い出した。母が死に、残ったのは私とメイシャオ。魔力のないメイシャオは継承権がなく、当然のように私の鉢が回ってきた。代償は自由と命だったのだろうと今になって思う。当時は、子供過ぎて何も考えていなかった。ただ、漠然と力の責任を他の長からたたき込まれ、自分よりもなお幼いメイシャオのことを思い、受諾した。
こうして里の結界を補強する方法を探す目的と自身の勉強のために、かなりの特例で・・・というよりも勝手に里を飛び出したが、双方の目的も未だかなわずにいる。所詮、今までの旅は紋章に頼り切り、自身の身体を傷つけ、こうして休養をとらざる得なくなっている。
揺れる茶葉を見つめながら、ため息を漏らす。
「メイシャオ・・・わたしはどうしたらいいのだろうか・・・」
巡る思いの中で、いつも元気なメイシャオが思い浮かび、その名が口から出る。思えば、今日のお茶はメイシャオの大好物だ。エリニア産の茶葉を黄昏の露で煮出し、トナカイの乳で割ったミルクティー。妖精の蜜をたっぷり使ったハニートースト。里でこれを用意したのなら、メイシャオは飛んで室内に入ってきたものだ。今はエルナス。その姿は見られないだろう・・・
大きく扉が開かれる音がきた。青い陰が勢いよく入ってくる。
「シュウレイ!喜べ!一応手がかりが見つかったぞ!」
入ってきたのはロキアルドだった。しかし、その入ってくる瞬間がおてんばなメイシャオに重なり。私はくすっと笑ってしまった。
案の定、ロキアルドはきょとんと目を丸くしている。
「いあ、なんでもない。ごめん。温かい紅茶がはいっているよ。飲みながらゆっくりと話を聞かせてほしい」
謝りはしたが、私の笑いは止められず、ロキアルドは首をかしげながら席に着いた。
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Date:2008/07/28
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2012/10/26 【

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