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破天蒼月

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□ 破天蒼月(小説) □

月下の舞姫18

久しぶりの日の光に驚いたときにはそこはエルナスの町であった。
まるでロキアルドとルーワンがそこに現れるのを予測していたかのようにキカは静かに立っていた。
「お帰りなさい」
ルーワンはキカの前に出て会釈をする。
「無事、任務は完了しました。シュウレイ様の生存を確認しましたが現在、傷ついた身体を癒すために眠りについていたためそのままにしてきました」
「そうですか。ならば私達にできることはもうありませんね。ルーワン、里に帰るので準備をしましょう」
ルーワンは黙って頷いた。
「ちょっと待ってください!シュウレイが目覚めるまで待たないのですか!?」
ロキアルドは納得できない様子で叫んだ。
「その役目、もはや私達ではありませんよ。あの子は既に旅立った身、影であっても私達が手助けをしたとなれば恐縮して、力不足と痛感することになり得ましょう。ですからあの子が無事であれば私達は再び里に戻った方がよいのです。あの子が旅の目的を果たすまでは私達は里で待ち、必要とあらばこうして影ながら手を貸す。そんな関係でありたいのです」
「だが!」
ロキアルドは何かを言おうとしたがキカの挙げた右手によって言葉を遮られた。
「あの子に付いていてあげてくださりませんか?ロキアルド様。あの子は心が強いようで時に脆さもある。私達の代わりにあの子を守ってあげてください」
「キカ様、準備が整いました」
いつの間にかルーワンはそばを離れ、腕に未だ眠り続けるカイレンを抱え、片手に荷物を持ちキカの側に立った。
「ありがとう、ルーワン。それではまたいずれの機に・・・」
ロキアルドは手を伸ばし、キカの腕を掴もうとしたが一歩遅く、空を掻いただけだった。
「おーい!ロキアルドさん!」
名を呼ばれる方向を向くと、酒場で帰りを待っていたちぃずたるとが走って向かってきていた。次いで次々に駈け寄ってくる。
「シーちゃんは?」
「無事だよ。でもここにはいない。まだ山の上だ」
ロキアルドが山の方を見上げるとちぃずたるともつられて山の上を見上げた。
「そかそか。なんだかよくわからないけど無事なんだね。それならいいんだ」
「これで私達も安心して出発できますね」
ヴァロアがそう言うと、その肩を借りて立っていたアクセルも頷く。
「俺たちももうそろそろ行かなきゃなんねーんだ。依頼があってな」
「シーちゃんに会えないのは残念だけど元気ならまた会えるから。安心して出発できるよ」
ちぃずたるとは満面の笑顔を浮かべて言った。
「あらら、ちぃずさん方も出発ですか。私とリルカさんも行かないといけないんですよ」
霞妖が言った。
「そうだね、カヨさん。翔君たちをかなり待たせちゃっているしね」
すっかりと酒の抜けたリルカはしゃんと立ち穏やかに言った。
「そうか、みんな行ってしまうのか・・・」
「うん、でもシーちゃんにはロキアルドさんが付いているから大丈夫だね」
「ロキアでいいよ」
ロキアルドが唐突に言うとちぃずたるとは目を丸くしたがすぐに笑顔で頷いた。
「シーちゃんを任せたぞ、ロキア」
「おう!まかせろ」
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Date:2007/04/07
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