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破天蒼月

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□ 破天蒼月外伝(小説) □

おかげさまで9000HIT☆

おかげさまで9000HITまできました^^
さて、実はロキアルド編は前回で完結なのですb

ということで
本音↓
何を書くか考えてなかった@@;

もうちょいまってね^^

2006/07/26
ロキアルド編は終わっちゃったことになっているけど本編4章の裏側で書いていこうと思います^^
2006/07/28
すこしだけ更新
2006/07/31
少しだけ更新
2006/08/04
完成☆
『わすれな草』

汽笛が鳴った。
もうじき出発だというのに喜一朗はまだ買い物から戻ってこない。全く何をしているんだと怒鳴りたいところだが相手がおらずに怒鳴ることもままならず無駄に足下の小枝を蹴飛ばした。
単身旅に出て何年になるだろうか。両親から離れ旅に出た思い出は忘れていなかったが正確は日付まではもはや覚えていない。ペリオンでは3年修行した。少なくとも3年は経っていると言うことだ。そしてシュウ、いやシュウレイとは3年あっていないと言うことだ。
ふと時計を見ると時刻は出発まで数分しかないことを示していた。
「しかたがない。先に乗っているか」
この船を逃すとまた次の船には相当時間がかかる。私は仕方なく船に乗った。
そして船の甲板まで来たとき
「師匠~っ!」
遠くで喜一朗の声がした。あわてて走ってきているようだ。
「遅いぞ、きい!あと数分で船が出るところだったぞ。早く乗れ!」
私が叫ぶと喜一朗はさらに加速して階段を駆け上がってくる。
あの速度ならすぐにここまで来るだろう。
私は見晴らしの良い場所に移動した。
そこには誰もいないと思った。見晴らしはよいが船の端。船で商売をするなら中央甲板で行うので端は寂れてほとんど誰もいないはずだった。
「だれ?」
女性の声だ。
影から現れたのは派手な衣装を身に纏った空色の美しい髪をした女性だった。着ているものからおそらくは旅芸人か何かであろう。
「あなたこそここで何を?」
「私はここで空を眺めていたの」
女性は薄い肩掛けを直し再び柵に掴まり空を仰いだ。女性の濃い緑の瞳に雲が流れた。
容姿の特徴はどことなくシュウレイに似ている。だが雰囲気も顔も別人だ。派手な衣装はどう考えてもあのときであったシュウレイの性格から好んで着るとは思えない。
私も女性の横に立って空を眺める。
「きれいね」
「ああ、とても晴れている」
女性はそれを聞いてくすくすと笑った。私は何がおかしいのかわからず訝しげな顔をして女性を見た。
「空もきれいよ。だけど私はあなたの瞳に映った雲がきれいだと思ったのよ。ほら、あなたの目って海みたいな色しているからとっても白い雲がよく映える」
女性は柵から離れ、くるりと一回転した。そしてまた空を見上げるとそのまま木箱の上に腰掛けた。
シュウレイではない。それはわかっていた。しかし一応確認しておいた方がいいだろう。
「私はロキアルド、あなたの名前は?」
「私の名前・・・」
女性はそこで言葉を詰まらせた。照れている様子はない。何かを考え込んでいるようだ。
「私の名前聞いて後悔しない?」
「名前を聞いて後悔したことはないよ」
ずいぶんと変な言い方をされて私は首をかしげる。
「じゃあ、私の存在を覚えていてくれる?」
「何故そんなことを気にするんだい?」
「いいから・・・覚えていてくれる?」
ついには女性は立ち上がり私に詰め寄った。私は目を丸くして頷いた。
「私は・・・レイラ。ロキアルド、私の存在を忘れないでね。」
女性、レイラは名乗った後すぐに背を向けて高く飛翔した。
「待て!」
その身のこなしは軽く、羽のようだった。呼びかけたときレイラの姿はもうどこにもない。
そしてその入れ替わりのように肩で息をしている喜一朗が来た。
「ごめんなさい、遅れて・・・師匠?・・・ロキア?」
「いや、何でもない」
レイラが飛び去った方角から何故か目が離せなかった。

客室は一番安いものをとった。本来女性である喜一朗のことを考えて二部屋とるべきだったのだろうがあいにく懐具合はそれを許してくれなかった。
部屋は質素ではあったが清潔そうだ。これならば値段的にも安い方だろうが満足だ。
私は荷物を置いて、いつ何時何があってもよいようにグリュンヒルを携えた。そしてマンジからもらったグリースを喜一朗に手渡す。
「たぶん、何事もないと思うがもっていろ。私はすこし甲板にいることにするよ」
扉をかけて階段を上った先はすぐに甲板だった。そして同じく甲板に上がろうとしたレイラと会った。
「あら、またあったね」
レイラはそういって気さくに笑う。
「あなたは先ほどの・・・なぜあのようなことをいったのですか?」
レイラはそっと私の口元に人差し指を縦に添えた。
「内緒よ。私には未来が少しだけ見えるの」
「はは、まさか」
レイラの悪戯っぽい笑みに私は冗談と受け取り軽く笑った。レイラもその笑みをそのままに笑って階段を早足で数段駆け上がり立ち止まってもう一度ほほえみかけた。
「私は旅芸人根無し草。誰かの思い出になりたいと思ってもいいと思わない?どこで死ぬかわからない命だし、誰かの思ってもらいたいと思うわけ。でもどうせ思ってもらえるならかっこいい男がいいわ」
相変わらずその悪戯な笑みは止まらない。
「かっこいい男とは光栄だな。だが残念だけど私の心をとらえて放さない女性がいるんだよ」
「あら、残念」
今度は身軽に翻ったかと思うとレイラは私の目の前に降り立ち私の顔に手を添えて私の目をじっと見た。
「強い意志、気高い瞳・・・そう・・・きっといつか出会えるわ」
レイラの真剣な顔に一瞬引き込まれそうになったがすぐにそれは元の悪戯な笑みに変わり、油断している隙に頬に口づけをされる。
「!」
「あはは、彼女に会えるようにおまじないよ」
レイラは甲板に躍り出る。私もその後を追いかけた。
空は晴れ渡り心地よい風が全身をなでた。
「ロキアルド、勿忘草って知っている?」
「わすれなぐさ?」
「ある男が女性のために谷に草を取りに行ったけど谷に落ちてしまったの。そのとき男がこう願ったの。“私を忘れないで”って」
レイラはまっすぐに空を見つめている。また笑みは消えて真剣な顔つきになっている。
「忘れられるって辛いよね。だからせめて誰かに覚えていてほしいの。さあ、もう時間だわ。ロキアルド、逃げて」
「逃げて?」
レイラはそういったあと私を突き飛ばして扉を閉めた。突き飛ばされた私は階段を転げ落ち、地に落ち着いたところで呆然とした。
そしてわずかな時間もなく船が激しく上下に動いた。私の体はさらに横の壁へと振動で押しつけられた。
外で何かが起きている。
私は階段を急ぎ駆け上がりドアノブに手をかけようとした。しかし、その手は虚しく空を切る。あるはずのドアノブがなかった。考えられるのはレイラが切り落としたということ。しかし、何のために・・・
「師匠!」
喜一朗がグリースを抱えるようにして走ってきた。
再び衝撃が走り、喜一朗は体ごと横の壁にたたきつけられた。そして、振動は収まる。私には嫌な予感がした。
「きい、お前はそこにいろ!」
私は一歩引いて勢いをつけてドアに体をぶつけた。木製の扉は数回のあたりで砕けた。
開けた視界は何事もないような青空。
そして・・・
「レイラ!」
甲板に横たわる変わり果てたレイラの姿であった。全身焼けこげて炭のように黒く煤けている。肉の焦げたにおいが全身から立ち上っており、かろうじてわずかに口だったものが動いて何かを話していた。しかし、肺も焼かれているのだろう。もはや、声は出ない。
ゆっくりと右手が動いた。完全に浮かせる前に崩れ落ちてしまったがそちらにレイラの言いたいものがあると確信して私は右を向いた。
漆黒の翼、焼けた血のような体。
あれは紛れもなくクリムゾンバルログだった。しかも、通常の数ではない。空が埋め尽くされるほどの数である。
「とんだ邪魔が入ったもんね・・・」
空間がゆがんだかと思うと突然人が現れた。私にはその姿に見覚えがあった。
「蒼月のシュウ・・・」
「あら、ロキアルド。あなたもこの船に乗っていたのね。悪いけどあなたには用はないわ。無事に大陸につきたければおとなしく船の中に隠れてなさい。運が良ければ助かるかもしれないわ」
「あのクリムゾンバルログの群れはお前の仕業か!何が目的だ!」
シュウは目を細めて冷笑して空を見上げた。
「そうね、あなたが私のものにでもなったら教えてあげてもいいわ」
「ふざけるな!!」
私はグリュンヒルを鞘から抜きシュウに向けた。
「聖天君主のグリュンヒル・・・物騒なもの持っているじゃない。悪いけどそんなの相手にしたくないから消えることにするわ」
シュウは来たときと同じように空間にとけ込むように消えていった。
再び私はレイラに歩み寄る。
しかし、すでにレイラは絶命していた。

----内緒よ。私には未来が少しだけ見えるの。

あれは本当だったのかもしれない。
少なくともレイラは今日ここで自分が死ぬことをわかっていたのだ。
そこまでしても何かを守りたかったのではないかと考えるが何かはわからなかった。
「君のことは、私が覚えておく。絶対に」
グリュンヒルを甲板に刺し、私は胸に手を当て目を閉じた。
神などは信じない。しかし、彼女のために私は祈った。
そして、目を開け、船の中に戻る。
「きい、戦いの準備をしろ!あと、腕のたちそうな奴らを当たって声をかけておけ!クリムゾンバルログの群れの襲撃だとな!」
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Date:2006/07/31
Trackback:0
Comment:4

Comment

* 私の心をとらえて放さない女性がいるんだよ

私の心をとらえて放さない女性がいるんだよ
Σ(=∇=ノノヒィッッー!!そこまで言ってるのね?
てか言って欲しいの?┃壁┃_・)ジー

バルとの戦闘はなかったけど十分読み応えあるお話しです(*´∇`*)b
もしかして・・・あの時電話しなかったら戦闘シーンがあったのかな ガ━━(= ̄□ ̄=)━━ン!!
2006/08/05 【Rokia】 URL #/5LHBRow [編集]

* コメントありり☆

>ろきあ
素直に・・・言われてみたいですね♪
そこまでの価値がある女になってみたいですな☆

もともとバトルシーンはないのでご安心あれb
2006/08/05 【シュウレイ】 URL #jJa68FlY [編集]

*

まてどくらせどこぬひとを
よいまちぐさのやるせなさ
こよいはつきもでぬそうな

思い人が、手の届かないほど遠くへ行ってしまうのは辛いものです。
もう会えないと分かってるとほんと…

「レイラの魂だけがもどってこない」
気になるなぁ((

蒼天君主のグリュン…
えらい物騒なもんなんですね;;
2006/08/07 【でんみぃ】 URL #-

* こめんとありり^^

まちびとこずとも
ときはながれゆき
つきひはうつろう
いとしきものはと
まちぼうけもよし

なんちって。
レイラの魂だけは何故戻ってこなかったか。
それは読者の想像に任せます^^

聖天君主にグリュンヒルはそりゃあもう物騒ですよb
2006/08/07 【シュウレイ】 URL #jJa68FlY [編集]

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